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シングルマザーの日常(どきどき妄想)

精神脆弱なポンコツシングルマザー

引きこもりの兄と自分


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うちには引きこもりの兄がいる。
もうアラフォーに片足突っ込んでるくらいの。
兄の歴史は我が家の歴史と同じくらい、それを語ろうとするともう小説6冊分くらい書けちゃう。
見た目は“地獄のミサワ”のイラストに驚くほど酷似している。


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で、その兄の存在が厄介だ。
何より子供に何か危害を加えないか心配だ。だから家に子供だけが居る状況を作らないよう母に頼んでいる。

ここ1年くらい、子供が成長して賢くなってきたせいか兄が干渉してくることが目立ち始めた。息子が中学受験のため夜遅くまで勉強していると早く寝ろだとか、娘がピアノの練習をしていると五月蝿いからやめろだとか言う。
無論こんな理不尽な要求は許されない。
「今度何か言ってきたらすぐにママに言いなさい!」と子供に言って聞かせる。

兄も伊達に長年引き込もってきただけあって家族の気配には敏感らしい。
私と父が在宅していると物音ひとつ立てない。
だから兄が子供に干渉したことは、後になって子供から聞かされて初めて知る。
それがすぐにでは無くて数日経過した後のことだから尚更腹立たしく、情けない。
しかしその場で兄の部屋の扉を叩いて苦情を言う勇気も自分には無い。
結局母に八つ当たりすることになる。
母に言ったところで何も解決しないことは昔からよく知っている。
自分が母親になったいま、その気持ちが分からないでも無い。
父には言えない。なんか可哀想だから。
きっと父が一番情けなく思っていて、苦しいと思うから。

兄はきっと発達障害なんだろう。
ADHDなんて病名が日本で流布し始めたのはここ最近で、少なくとも私が子供の頃は無かった。
思い返せばクラスにそれらしき子供がいたなぁと、新しい知識が改めて人をカテゴライズする。

だったら入院なりさせて追い出せば良いじゃないって今でも考えている。
しかし、精神科には措置入院医療保護入院といった本人の同意が必要の無い入院手段がありながらも、それを利用して自宅からニートを引っ張り出すことは困難だ。
昔は医者が出向いて鎮静剤打って搬送なんてことがあったらしいが、個人やプライバシーを尊重する現代ではそうも行かない。そんなめんどくさいことに関わりたがる医者もいない。
よってまず本人を病院に連れて行くことが第一歩になるのだが…そこが一番難しい。
最近では引きこもりの部屋を抉じ開けて引っ張り出して自立支援しますよなんて商売もあるくらいだから、その第一歩に多くの家族が悩んでいることは間違いないだろう。

一度兄に直接病院に行くよう話したことがあったが、「オレいつ死んでも良いから病気とかどうでもいい」とまるで話し合いにはならなかった。
通院している精神科の医者にも相談したことがあるが、まずは本人を病院にとこれと言ったアイデアも得られなかった。

嫌なら出ていけば良いじゃんって、大抵の人は思うかもしれない。
けれど自分の立場を考えると実家に住んでいることの恩恵の方が上回っているのも事実。
と、こんなことを考えている自分は兄と変わらないじゃないかと思えてくる。
だって実際離婚して初めて自立の必要性に迫られ、子供が居なかったら生きていたかも分からない。
“いつ死んでもいい”と言う兄の気持ち、実は良く分かる。

そんなこんなで未だ我が家は兄という闇を抱えたままなのである。

どこか兄に同情する気持ちと、両親のやりきれなさを思う気持ちと、自分たち母子の利益を優先させる気持ちとが複雑に混雑している。

両親だっていつまでも元気じゃない。
私が頑張って働いて、完全自立を目指すのが私たち母子にとって最優先事項であることに変わりは無い。
そして出来れば、兄にも“生きていて良かった”と思える瞬間が訪れることを頭の隅っこで願っている。